ノイ先生、今回は何でしょうか?
クワーイさんは、タイ語の文で、動詞が2つ並んでる文を見たことないですか?
ありますね。動詞の後には必ず目的語か補語が続くか、もしくは動詞で終わるかだと思ってたので、こんな形もありなのか、と思いました。
そうですね。動詞を2つ並べる形は、全ての動詞でできるわけじゃないですが、よく目にします。
日本語の表現に似てるものもあるし、日本語には無い感じのものもあります。
なるほど。
この形を使いこなせると、タイ語らしい表現になりますよ!では見ていきましょう。
タイ語では助動詞ではなくても、動詞を二つ並べて合わせて意味を表すことができます。
ただし、全ての動詞を2つ並べられるわけではありません。
以下に代表的な表現について説明します。
ไปとมาの後に動詞が続く文について
「~しに行く」、「~しに来た」という意味の文を作るには、ไป [pai] 「行く」とมา [maa] 「来る」の後に動詞を続けます。
後続する動詞が、ไป「行く」とมา「来る」の補語になる形です。
มาหาเพื่อน [maa hǎa phʉ̂an] 「友達を訪ねに来た」
他の動詞に後続して意味を加える動詞について
タイ語の動詞のなかには、本来の意味が弱まり、他の動詞の後に付いて、前の動詞に意味を付加する動詞があります。
日本語でいうと補助動詞と呼ばれるものに近いです。
以下に代表的なものとその用法を紹介します。
ไป 「行く」と มา 「来る」
動詞の後に付くときは、動作や状況が、空間的、時間的、心理的に、話し手から遠ざかる場合はไปが、近づく場合はมาが付きます。
主体の移動
話し手、もしくは話し相手にとって、遠ざかる移動ならไปが、近づく移動ならมาが使われます。
เอาร่มมา [ʔau lôm maa] 「かさを持って来る」
ออกไปข้างนอก [ɔ̀ɔk pai khâaŋ nɔ̂ɔk] 「外に出て行く」
เข้ามาข้างใน [khâu maa khâaŋ nai] 「中に入って来る」
動作の方向
動作の方向を示すのにも使われます。
โทรมาหาฉัน [thoo maa hǎa chǎn] 「私に電話してくる」
時間的方向
今を起点として未来へ向かう動作はไปを、過去から今へ向かってくる動作はมาを使います。
เรียนภาษาไทยมา5ปี [rian phaasǎa thai maa hâa pii] 「タイ語を5年勉強してきた」
「~してしまった」
話し手から離反する→動作や状態が完全に完了し、取り戻せないニュアンスです。日本語に訳すと「~してしまった、~となってしまった」となります。
หมาตายไปแล้ว [mǎa taai pai lɛ́ɛu] 「犬が死んでしまった」
話し手の考えや感覚からの離反
ขึ้น 「上がる」とลง 「降りる」
上方、もしくは下方への動き
นั่งลง [nâŋ loŋ] 「座る」
発生
増加と減少
น้อยลง [nɔ́ɔi loŋ] 「少なくなる」
良い変化と悪い変化
เลวลง [leeu loŋ] 「悪くなる」
เข้า 「入る」とออก 「出る」
中への動きと外への動き
ลาออก [laa ɔ̀ɔk] 「辞職する」
技能的に~できる
ฟังภาษาไทยไม่ออก [faŋ phaasǎa thai mâi ɔ̀ɔk] 「タイ語を聞いてもわからない」
程度の強調
ดู 「見る」
「~してみる」という意味を表します。
ไว้ 「置く」
前もって「~しておく」ことを表します。ไว้の前にเอาを置くこともあります。
เสีย 「ダメになる」
動作や状態が完全に完了し、取り戻せないニュアンスです。日本語に訳すと「~してしまった、~となってしまった」となります。ไปに比べると、どちらかと言えばよくないことを言う際に使われます。
ให้ 「与える」
日本語の「~してあげる、~してくれる」という使い方に似ています。ให้の後に動作の受け手が来ることもあります。
เลี้ยงอาหารให้ทุกคน [líaŋ ʔaahǎan hâi thúk khon] 「皆にご飯をおごってくれた」
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