子音文字の連続について(タイ語)

タイ文字について
クワーイくん
クワーイくん

ふう、子音文字も全て勉強しました。子音文字の種類が声調に影響することも分かりました。母音記号も全て勉強しました。もう文字の勉強は終わり、でいいですね?

ノイ先生
ノイ先生

ちょっと待ってください!今まで学んだことで、ひと通りタイ文字を読めるようになりましたが、まだ例外を学ぶ必要があります。

クワーイくん
クワーイくん

例外ですか?例外なら追々やっていけばよくないですか?

ノイ先生
ノイ先生

うーん、例外ですが、よく目にする特徴でもあるので…。

この項では、子音文字の連続について勉強します。

クワーイさんがタイ語を見ていて、母音記号が付いてない子音文字を見たことはありませんか?

クワーイくん
クワーイくん

そういえば、ありますね。よく分かりませんが、母音が無いということかな、と思ってました。

ノイ先生
ノイ先生

半分正解ですね。

子音文字が2つ続いていて、一つ目の子音に母音記号が無い場合、大まかに3つのケースがあります。

一つ目は、二重子音といって、一つ目の子音には母音が入らないケースです。2つの子音を続けて発音します。

ノイ先生
ノイ先生

もう一つのケースは、一つ目の子音文字は全く発音せず、子音の高・中・低の種類を変えるためだけの役割をするケース、

ノイ先生
ノイ先生

さらにもう一つのケースは、一つ目の子音文字に母音記号は無いものの、母音を補って発音するケースもあります。

クワーイくん
クワーイくん

うーん、母音記号が書かれてないのに、母音を補って読むとは…。あ、でも母音のところで少しそんな話ありましたね。まあ、頑張りますんでよろしくです~

※疲れてきたせいか、クワーイくんの態度が悪くなってますが(笑)、クワーイくんの言うことも一理あります。
というのも、ここで紹介する特徴は、頻出単語でもよく目にするので、単語の勉強をしたり、タイ語の文を読んだりする勉強をしていれば、自然と何度も目にすることだからです。
なので、この項は、ぎちぎちに覚えることはありません。さらっと読んで、当たったときに、「このことか~」と思ってもらう程度で構いません。

 

通常、子音文字には母音記号が付きますが、一つ目の子音文字に母音記号が伴わず、子音文字が2つ連続して綴られる単語もあります。

この項では、この子音文字の連続について、覚えるべきルールをいくつか説明します。

 

破裂音の子音+r、l、wの子音の二重子音について

 

発音の項でも説明しましたが、この二重子音では1つ目の子音の後に母音が入りません。

声調は1つ目の子音で判断します。

1つ目の子音が高子音字であれば、高子音字として声調を判断します。

高子音字扱い ขร [khr] 、ขล [khl] 、ขว [khl] 、ผล [phl]
中子音字扱い กร [kl] 、กล [kl] 、กว [kw] 、ตร [tr] 、ปร [pr] 、ปล
低子音字扱い คร [khr] 、คล [khl] 、คว [khw] 、พร [phr] 、พล [phl]

 

 

ホーナム(ห-นำ:導くホー)について

 

声調決定の表を見ると、低子音字は、第2声 [à] と第5声 [ǎ] にすることができません。

このため、低子音字を第2声と第5声にする場合、高子音字の を前に付けて、低子音字から高子音字にします。

 

この低子音字を高子音字にするための ห を、ห-นำ(ホーナム:導くホー)と呼びます。

 

このホーナムの ห は、子音字としての [h] の音は発音しません。

あくまで低子音字を高子音字にするためだけの役割を果たします。

 

ホーナムが付く低子音字は、以下の単独字の8文字です。

ง(例:เหงา [ŋǎw] 「寂しい」)、
ญ(例:ใหญ่ [yày]「大きい」)、
น(例:หนู [nǔu]「ねずみ」)、
ม(例:หมด [mòt]「尽きる、無くなる」)、
ย(例:โหยง [yǒoŋ]「飛び上がる」)、
ร(例:หรีด [rìit]「花輪」)、
ล(例:หลง [lǒŋ]「迷う」)、
ว(例:ไหว [wǎy]「〜(体力的に、精神的に、経済的に)できる、がまんできる」)

 

オーナム(อ-นำ:導くオー)について

 

低子音字を中子音字にするために、中子音字の を低子音字の前に付けることもあります。

 

この低子音字を高子音字にするための อ を、อ-นำ(オーナム:導くオー)と呼びます。

 

このオーナムの อ は、子音字としての [ʔ] の音は発音しません。

あくまで低子音字を中子音字にするためだけの役割を果たします。

 

オーナムが付く語は以下の4語だけです。

อย่า [yàa] 「~するな」
อยาก [yàak] 「~したい」
อย่าง [yàaŋ] 「~のような」
อยู่ [yùu] 「いる、ある」

 

二重子音(高子音字または中子音字+低子音字)

 

今までの二重子音は、一つ目の子音には母音が入らないものでしたが、

ここで説明する二重子音は、連続する2つの子音の両方に母音が入り、2つとも頭子音になり、音節が2つになります。

このケースの場合、声調の決定方法が少々ややこしいので、以下に説明します。

 

สยาม [sayǎam] 「サイアム」という単語を例に、2つの音節の母音と声調について説明していきましょう。

 

1番目の子音には、短母音 [a] が付きます。そして、短母音 [a] の後には末子音 [ʔ] は付きません。

この第1音節の声調は、子音文字の種別に関わらず、平声になります。

 

第1音節 [sa] の声調決定方法:
頭子音 [s] に短母音 [a] が付く。声調は平声。

 

2番目の子音も頭子音になり、それに続く母音、末子音とともに第2音節となります。

この第2音節の声調は次のように決定します。

 

第1音節の頭子音字が高子音字または中子音字で、

第2音節の頭子音字が低子音字で単独字である場合は、

第2音節の声調は、第1音節の子音字に従い、高子音字または中子音字としての声調になります。

 

第2音節 ยาม [yǎam]  の声調決定方法:
第1音節の頭子音字 ส は高子音字で、
第2音節の頭子音字 ย は低子音字で単独字なので、
第2音節の声調は、第1音節の頭子音字 ส に従い、高子音字としての声調になり、[yǎam] になる。

 

上記以外の場合には、第2音節の声調は、1番目の子音文字の影響は受けず、2番目の子音文字の種別に従って決定します。

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